【米作りについて】稲作と日本の心「コメ」という食文化が伝えるもの

米作りをイメージした画像です。

私たち日本人の食生活を支え続けている『米作り』

古き時代から私たちの生活に密接に関わり、とても重要な農業です。

では〝米〟はどのようにして生産され、私たちのお腹を満たしてくれているのでしょうか?

ふと「米作りについて」と考えたとき、

意外と知らないことだらけということに気付きます。

そこで本記事では、『米作りについて稲作と日本の心「コメ」という食文化が伝えるもの』について徹底解説いたします。

この記事はこんな方にオススメ

・日本人にとって米の食文化ってナニ?
・日本人が「コメ」を大切にする理由とは?
・稲作は自然がないとできないの?
・自然環境への影響はあるの?  etc

この記事を最後まで読んでいただければ、『米作りについて日本が育んだ精神と「コメ」という食文化が伝えるもの』について知ることができますよ!

米作りに興味を持たれた方や、これから始めたいという方、

もっと深く稲作について知りたい方のお役に立てれば幸いです。

※いち早く内容を知りたい方は「目次」より読み飛ばして下さい。

目次

『米作りについて』第二章

米作りをイメージした画像です。

『米作り』と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

稲作の基礎知識や技術、歴史や文化など知れば知るほど

日本において米〟が経済・社会・文化・風土など幅広い面に大きな影響を与えていることに気付きます。

まさにそれは『賢者の英知』と呼ぶに相応しいもの!!

本記事は、【米作りについて考える】日本の稲作が歴史に刻んだ風土と文化とは の続きとして

併せてお読みいただくと、より一層〝米作り〟に対する理解を深めることができるかと思います。

それでは『米作り』について、「コメ」という食文化が伝えるものとは何かを解説していきたいと思います。

「コメ」という食文化が伝えるもの

米作りをイメージした画像です。

日本人にとって〝米〟は非常に身近な存在であり、毎日の食卓に欠かせない食品の一つです。

「1日1食はお米を食べたい」そう思う方は多いのではないでしょうか。

そして〝米〟は食材としてだけでなく、様々な文化的な意味や歴史・風土との関わりがあります。

日本人が「コメ」を大切にする理由

まず〝米〟は、日本人が古くから大切にしてきた食品であり、日本の風土や文化に根ざしたものであると言えます。

〝米〟には「食」という人間の根源的な欲求を満たすだけでなく

〝共同生活においての振る舞いもの〟〝生活スタイルの工夫〟という役割も持っています。

例えば「おにぎり」。

お米の歴史をイメージした竹皮おにぎりの画像です。

日本のおにぎりの歴史は弥生時代に始まると言われており、稲作伝来の紀元前3,000年前とほぼ同じ時期です。

これは、弥生時代の遺跡から〝もち米を使ったおにぎり状のチマキ炭化米塊〟が発見されていることによります。

現在のおにぎりのもとになったのは、平安時代(794~1185年ころ)に登場する「屯食(とんじき)」と考えられていて、

宴の際に貴族が従者に振る舞ったといわれます。

また、1221年の承久の乱では鎌倉幕府側の武士に、「梅干し入りのおにぎり」が配られたという記録もあります。

「おにぎり」は手軽な食べ物としてだけでなく、家族や友人と分かち合い〝共に食べる文化や精神〟が根付いているために誕生した食べ物といえます。

「コメ」に通じる精神や生活様式

米をお供えしている画像です。

〝米〟には、日本人の精神や生活のあり方を表す言葉もあります。

例えば「精進料理」という料理がありますが、これは仏教的な考え方から生まれたもので、

〝美食を戒めて粗食をし精神修養をする〟という意味や〝身を慎み清らかであることを重んじる〟とした料理で、

動物性の食品を使わず、ご飯を中心とした野菜や穀物などの植物性の食品のみを使って調理されます。

また、神棚にも〝米〟や〝ご飯〟をお供えするという風習がありますが、

これは、古代からお米や稲は神様が作った〝神聖な作物〟として扱われてきたからです。

お供えをする時も、ちょうど神様の前になる中央へ米を置き、向かって右に塩、左に水をお供えします。

それほど〝米〟は神聖な食物として私たちの精神や生活に根付いているのです。

つまり、〝米〟という食文化は単なる食品にとどまらず、日本人が大切にしている風土や文化、

そして精神や生活のあり方を表すものであると言えます。

稲作が育む自然との共生

稲作と自然をイメージした画像です。

稲作は、自然との共生が不可欠な農業の一つです。

水田に水を張り、その中で稲を育てるための「田起こし」という作業が必要です。

これにより、稲は豊富な水と栄養を得ることができるのです。

また、水田は多様な生き物が生息し生態系を維持しています。

例えば〝クモやトンボ〟は害虫を食べてくれ、お米作りの味方をしてくれます。

水上や水中で見かける〝アメンボやゲンゴロウ〟は田んぼのパトロールと害虫退治をしてくれています。

そして土に還れば栄養素として生まれ変わります。

こうした自然との関わりを考えると、どんなに文明が進化したとしても自然との共生なくして

〝お米〟を作ることはできないと気づかされるのです。

自然環境への影響と持続的な取組み

稲作と自然環境問題をイメージした画像です。

『米作り』は自然との共生が不可欠と気付く一方で、稲作が自然環境に与える様々な影響もあります。

農業・林業・畜産等から排出される温室効果ガス(GHG)は、人の活動由来の20%強を占めると言われており、

食料生産・供給も地球環境に大きな負荷がかかっていることから目を背けることはできません。

例えば、農薬や化学肥料の使用によって、水や土壌が汚染される問題が取り沙汰されたことがあります。

これは、環境汚染や健康被害が引き起こされた為です。

1960~70年代には改善され始め、安全な食べものを求める生産者や消費者が市民運動として有機農業を提唱。

1990年代には国の政策の中に「環境保全型農業」という言葉が登場するほどになりました。

また、水田は温室効果ガスであるメタンガスの発生源でもあります。

地球温暖化の原因のひとつである水田からのメタン発生量を減らすために、

中干し期間延長、稲わらをすき込む時期を早めるなど、メタンガス抑制に対する研究が必要とされています。

これらの問題に対して〝持続可能な稲作を目指す取り組み〟が進められており、

具体的には、有機農業や無農薬栽培、水質保全への取り組み、

さらに、近年では最先端の技術を活用する「スマート農業」が注目されています。

近代農業をイメージした画像です。

※スマート農業とは、農業用ドローンや衛星画像のデータ等を活用し、生産の効率化と共に環境保全型農業を実践することを可能にする取り組み。例えば、ドローンで圃場(ほじょう)の必要箇所だけに農薬や肥料を散布することで、環境への化学物質の流出を最小限に抑えることができる。

つまり、稲作による自然との共生を本当の意味で実現するには、

環境問題を解決するための〝持続的な取り組みと努力〟があってこそ得られるものなのです。

【賢者の英知】稲作の知恵と技術

稲作の知恵と技術をイメージした画像です。

稲作には、古くからの知恵と工夫を継承しながら、新しい技術を取り入れ美味しいお米を作り上げるための様々な取り組みがなされています。

例えば、

・3~4月 土づくり……田んぼにたい肥をまき、土に十分な栄養を与える。
・4月 田起こし……根が伸びやすいように15cm以上の深さまで耕す。
・4~5月 代かき……田んぼに水を入れて土を平らにし田植えをしやすくする。

など。

昔は手作業や道具を使っていたのが、家畜を利用するようになり、現在ではトラクターを使用するというように進歩しています。

必要な知識や技術と効率的な米作り

米作りの肥料をイメージした画像です。

稲作に必要な知識や技術は〝土地の選び方や肥料の使い方・水の管理・稲の栽培方法〟など様々なものがあります。

例えば、

・土地の選び方……広く平らで、水はけがほどよい。水源を確保しやすい。
・肥料の使い方……必要な「窒素(チッソ)・リン酸・カリウム・マグネシウム・カルシウム」を補うために、化学肥料や有機肥料を使う。
・稲の栽培方法……田んぼに種籾(たねもみ)をまいてそのまま育てる〝直播栽培〟と、育苗ハウスで育てた苗を植える〝移植栽培〟がある。現在では〝移植栽培〟が主流。

など。

これらを正しく理解し実践することが、効率的で美味しいお米を作るための重要なポイントです。

化学肥料と有機肥料(たい肥)の違い

化学肥料
たい肥
  • ちっ素
  • リン酸などを使用
  • 効き目が早い
  • 安定して手に入る
  • 土がやせて作物が育ちにくくなる
  • わらや草
  • 家畜のふん尿など
  • 効き目がゆっくりしている
  • 土へ撒くのに時間がかかる
  • 値段が高い

美味しい「コメ」の作り方

一膳をイメージした画像です。

米作りにおいて美味しい〝米〟を作るためには、稲の栽培方法や収穫時期など様々な工夫が必要です。

例えば、稲の収穫時期は〝稲穂の籾(もみ)〟が熟しているかよく確かめて、早すぎず遅すぎないよう気をつけて収穫します。

さらに、収穫後の保存方法についても、正しい知識を持つことが重要です。

美味しくて品質の良い状態を維持するためには、お米を温度10~15℃で保存します。

直射日光を避け、涼しい場所に保管するか冷蔵庫を利用します。

米作りの手順と工夫について

米作りの手順については、育苗から稲刈り・籾摺り・脱穀、そして精米まで多くの工程があります。

各工程での工夫や手順の正確さが、美味しいお米を作り上げるためには欠かせません。

例えば、

稲が田んぼで生長している間はこまめにイネの成長をチェックして、健康に育っているかどうか確かめます。

充実した稲をイメージした画像です。

栄養が足りないと思われる時は肥料を少しあげますが、やりすぎると栄養吸収が多くなり逆に味を悪くしてしまします。

こうした様々な〝知恵と技術〟そして〝たゆまぬ努力〟によって、おいしいお米が農家から消費者へ届けられるのです。

【まとめ】

本記事では、『米作りについて稲作と日本の心「コメ」という食文化が伝えるもの』についてご紹介いたしました。

〝米〟には「食」という人間の根源的な欲求を満たすだけでなく

〝共同生活においての振る舞いもの〟〝生活スタイルの工夫〟という役割も持っています。

「おにぎり」は手軽な食べ物としてだけでなく〝共に食べる文化や精神〟が根付いてた食べ物といえ、

神棚へお供えすることから〝米〟は神聖な食物として私たちの精神や生活に根付いているのです。

また、稲作には古くからの知恵と工夫を継承しながら、新しい技術を取り入れ美味しいお米を作り上げるための様々な取り組みがなされており、

そんな〝知恵と技術〟そして〝たゆまぬ努力〟によって、おいしいお米が農家から消費者へ届けられるのです。

誰もがお腹いっぱいに満たされる、豊かな食文化を後世に残していくために

『賢者の英知』と呼ぶに相応しい〝米作りの知恵と技術〟を受け継いで行きたいものです。

米づくりに興味を持たれた方や、これから始めたいという方の、

お役に立てれば幸いです。(^^)

・日本人にとって米作りの持つ意味
・米作り初心者が知っておきたいこと
・稲作が刻んだ風土と文化

について知りたい方は、こちらの記事からぜひチェックしてみて下さい!

『【米作りについて】稲作と日本の心「コメ」という食文化が伝えるもの』を、最後までお読みいただきありがとうございました。

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