元気な稲づくりに大切な『中干し』。
これまで米づくりは「農家の方だけがするもの」というイメージですが、近年では
・「米づくりを体験したい」
・「自分で農業をやってみたい」
・「子供の食育に取り入れたい」
という方が増えて来ています。
「田植え」や「稲刈り」は何となく想像できるけど
「中干しって一体なに?」という方、多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、『中干しの効果や方法、しないとどうなるのか?』について徹底解説いたします。
この記事はこんな方にオススメ
この記事を最後まで読んでいただければ、『中干し』の押さえるべき注意点やメリット・デメリットなどを知ることができますよ!
米づくりに興味を持たれた方や、これから始めたいという方のお役に立てれば幸いです。
※いち早く内容を知りたい方は「目次」より読み飛ばして下さい。
『中干し』はしないとどうなるの?
『中干し』は、田んぼの水を抜いて土の表面がひび割れるくらいまで干すことを言います。
米の〝品質や収穫量〟を左右するとても大切な管理作業なので、
中干しの開始が遅れたり、実施しないと〝穂にならない無効分けつ〟を増加させる原因につながります。
つまり『中干し』は稲を元気に育てる重要な役割を果たします。
中干しは何のためにするのか?
中干しは何のためにするのか?
それは、
田んぼのガスを抜き、酸素を補給することで〝根張り〟を良くすることが目的です。
中干しを不要とする場面とは
お米を作る上でとても重要な〝中干し〟ですが、
では不要とする場面があるのでしょうか?
実はあるのです!!
それは〝疎植〟の場合です。
疎植は株間を30cm開けて植える方法ですが、この場合は田んぼにガスが発生したら水を抜いて土に酸素を補給する程度で良いとされており
土がひび割れるほど干す必要はありません。
中干しの効果について
ここでは中干しの効果についてまとめてみました。
などの効果があります。
『中干し』は日本だけ?海外と比べてみよう!
中干しは日本の稲作にとって欠かせない重要な工程のひとつ。
では、中干しは日本だけで行われるものなのでしょうか?
海外と比べてみたいと思います。
日本とは異なる環境下となる海外においても中干しは行われています。
〝根腐れ〟や〝収量への影響〟を抑止するためです。
アメリカであれば、インディカ地帯・アーカンソー州・カリフォルニア州、
また、中国やフィリピンなど様々な国の稲作でも〝中干し〟は重要な工程として実施されています。
『中干し』のやり方について
中干しは、
・種まきから80~90日頃、または
・田植えの約1か月後ぐらいに
田んぼの水を抜き、土にヒビが入るまで乾かします。
・種まき・苗づくり
・田おこし・代掻き
・田植え
・管理と除草
・追肥と水抜き(中干し)
・稲刈り・乾燥・出荷
※今回は「水抜き=中干し」となります。
一株20本程度の茎数になっていたら〝中干し〟を実施しましょう。
中干しの時期について
年間全国を比較すれば、地域によって時期に違いがありますが
暑い季節にすることが多く〝夏の土用〟の時期に行うことから「土用干し」と言われていることもあります。
地域別一覧
中干しはどれぐらいの時間やるの?
中干しの期間(時間)は概ね
・5~7日間もしくは2週間程度
と言われており、地方やその年の気候によって変化します。
例えば梅雨時期に雨が少なく、土が乾きすぎるといった場合は〝中干しを中断〟して入水を行います。
中干しのメリット
ここでは中干しのメリットについてまとめてみました。
中干しのデメリット
デメリットについてもご紹介いたします。
中干しは必要以上に土を乾かすと、
以上の点に注意しておくと安心です。
お米づくりは足装備から!!
農作業をするうえで、足装備はとても大切です。しっかり準備を整えて行いましょう。
『中干し』の重要性と水管理について
中干しの重要性は〝湿田〟や〝乾田〟など土壌の状態によって異なります。
地下水位が高く縦浸透の悪い〝湿田〟では根腐れしやすいため
中干しの重要性が高くなり、
透水性の高い〝乾田〟では有害物質の除去能力が優れているため
中干しの重要性は低いと言えます。
【まとめ】
本記事では、『中干しの効果や方法、しないとどうなるのか?』についてご紹介いたしました。
『中干し』は、田んぼの水を抜いて土の表面がひび割れるくらいまで干すことを言い、
米の〝品質や収穫量〟を左右するとても大切な管理作業です。
・穂にならない無効分けつの増加を抑制し、良質な米をつくる。
・収穫まで根を健全に保つ。
・地耐力を高められ、収穫作業を効果的かつ効率的に行える。
・稲の倒伏を防止する。
などの様々な効果があります。
ただし田植えが疎植の場合は必ずしも必要ではありませんので、
環境に適した方法をとりましょう。
米づくりに興味を持たれた方や、これから始めたいという方の、
お役に立てれば幸いです。(^^)
『【中干し】はしないとどうなる?水管理の違いは収穫量の違い!?』を、最後までお読みいただきありがとうございました。
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