お米づくりに必要な『田植え』。
これまで田植えは「農家の方だけがするもの」というイメージですが、近年では
・「田植えを体験したい」
・「自分で農業をやってみたい」
・「子供の食育に取り入れたい」
という方が増えて来ています。
とは言え実際にやるとなると「どうすればいいのか分からない……」のが本音ですよね!
そこで本記事では、『手植えで行う田植えのやり方』について徹底解説いたします。
この記事はこんな方にオススメ
この記事を最後まで読んでいただければ、『手植えで行う田植え』の押さえるべきポイントや魅力などを知ることができますよ!
田植えに興味を持たれた方や、これから始めたいという方のお役に立てれば幸いです。
※いち早く内容を知りたい方は「目次」より読み飛ばして下さい。
『田植え』とは?(基礎知識)
『田植え』とは米づくりに必要な工程のひとつ。
春の苗作りから、秋の稲刈りまで、一年を通じて様々な作業があります。
米づくりの流れ
・種まき・苗づくり
・田おこし・代掻き
・田植え(今回はココ!!)
・管理と除草
・追肥と水抜き
・稲刈り・乾燥・出荷
地域や農家さんによって異なる場合がありますが、おおむね同じ工程で行われます。
田植えの時期
田植えの時期は地域やお米の品種などによって異なりますが、一般的に5月中旬~6月に田植えを行います。
では何故この時期に田植えをするのか?
これは稲が生育するには〝気温が15度以上になること〟という条件を満たす必要があり、
10度以下になると苗が成長しなくなり、やがては枯れてしまうケースがあるからです。
このことから全国を比べてみると、田植えの時期に大きな違いが出てきます。
時期別にまとめてみた
・1月下旬……沖縄地方
主な銘柄:「超早場米」
・3月中旬……九州地方
主な銘柄:「ひのひかり」
・5月上旬~5月下旬……東北地方
主な銘柄:「コシヒカリ」「あきたこまち」
・5月下旬~6月上旬……関西地方
主な銘柄:「近江米」「丹後産コシヒカリ」
・5月下旬~6月上旬……北海道地方
主な銘柄:「ゆめぴりか」
・6月上旬~6月下旬……四国地方
主な銘柄:「さぬき産コシヒカリ」「はだか麦」
・6月上旬~6月下旬……関東地方
主な銘柄:「北条米」「穂の香」
※地域によって異なりますので、ご了承ください。
では田植えのやり方にはどのような方法があるのか?について触れたいと思います。
田植えの種類
田植えのやり方は大きく分けて2種類あります。
〝田植え機〟を使うやり方と、手で植える〝手植え〟。
田植え機を使えば手間と時間がはぶけますが数10万~数100万という費用がかかります。
対して手植えは費用はかかりませんがとても大変な労力を必要とします。
『手植え』のやり方
ここからは経験したことを踏まえながら、手植えのやり方についてご紹介いたします。
『手植え』のやり方は文字通り苗を一束ずつ手で植えます。
これから手植えを体験してみたいと考えている方は、ぜひ下記の内容をチェックして下さい。
実体験による押さえたいポイント!
「手植え」をする際、まずは足元が肝心!!
なぜなら、腰を曲げたままの作業になるため
足元がしっかりしていないとすぐ腰にきます!!
バランスの取れる中腰姿勢を保つことがポイントです。
当然ですが普通の靴では入れないので長靴を使用します。
慣れていないと泥に足を取られクツが脱げてしまったり、転んだりしてしまうので
足の感覚に近づけるようにフィットする長靴を選びましょう!
やり始めたころの私は手植えを甘くみていた為、長靴サイズも気にせず作業を開始。
少し大きめだったので脱げそうになる長靴を気にしながらのスタートでした。
結果、うまく姿勢を保てず5分ほどで腰がダルい……。
しばらくすると今度は、なんだか太もも辺りに痛みが(-_-;)
挙句の果てに泥にクツを奪われ
クツ下で泥に突っ込むわ
前のめりに倒れてヒザも服もドロまみれ……。
そうならない為にも〝足装備〟をしっかり準備しておくことをオススメします!
田んぼに入ると水面から約20cmほど埋まるので慎重に。
今では「田植え靴」という膝下・膝上あたりまである長靴や、〝胴付き長靴〟という胸あたりまのロングなものまであります。
足の装備を充実させることがとても大切です!
手植えをはじめる心構え
「手植え」は何と言っても体力勝負!
足装備はもちろん日よけの帽子やタオル、日焼け止めなどをしっかり準備しておきましょう。
重労働とあまり思わず(大変だと思うとホントに大変になっちゃいます)
日々お米をおいしく食べられるのは農家さんのおかげと感謝しつつ、楽しく取り組みましょう!
手植えの種類
「手植え」と一言でいっても〝やり方〟にはいくつかの方法があります。
昔は田植えに必要な人数を集め、横一列に並んだ状態で前や後ろなど
同じ方向に進みながら植えていました。
ここでは、その植え方の種類について少し触れていきます。
横縄植
大勢が横一列に並んで植える方法。一列が終わったことを確認したら
次へと移動し植えていきます。
縦縄植
縦の列に縄で区切り、枠内に一人ずつ入って田植えする方法。
分担作業的に植えていきます。
線引き植
〝線引き具〟という道具を使い、田んぼ自体にラインを引く方法。
線に合わせて植えていきます。
定規を使う
〝田植え定規〟という道具を使い、枠を目印に植える方法。
枠の数だけ植え終えたら定規を進行方向に反転させます。
コロガシを使う
〝田植え定規〟の一種である六角形の木枠のマスを転がして、あらかじめ印をつける方法。
方眼の交わった場所に植えていきます。
などなど……。
〝授業〟や〝田植え体験〟などで取り入れらる方法として
比較的よく目にするのが「横縄植」。
最近では若い世代で田植えを体験したいという方が増えています。
米を作るという感動
みんなと一緒にやり遂げる喜びや達成感
また子供達にとって何よりの「食育」になります。
そこで「少しだけ体験してみたい」という方にオススメなのがコチラ↓↓↓
手植え体験なら「バケツ稲」!!
苗植えから収穫までをバケツで体験できるのが「バケツ稲づくり」。
自宅での稲作を通じてお米に関する学びを深められます!
目安として10~15ℓのバケツ1個分で、田んぼの1株分(苗3~5本)を育てられます。
子供さんの食育はもちろん、実際に育てると感動します!!
お米に対する気持ちに大きな変化と気づきが生まれますよ(^^)
手植えのメリット・デメリット
これまでの内容を踏まえ『手植え』のメリットとデメリットをまとめてみました。
※田植え機と比較しています。
手植え
田植え機
手植えのコツ
田植えをする上で重要なポイントは植える間隔です。
株と株の間隔をあけてゆったり植える方法を〝疎植(そしょく)〟といい
・しっかり日光を当てられる。
・除草や害虫駆除などがしやすい。
・収穫がスムーズにできる。
と言ったメリットがあります。
コツは畝間(うねま)と株間(かぶま)を約30cmにして植えることです!
苗の持ち方と植え方
苗の持ち方はドロが落ちないように指でかるく掴みます。
この時、茎を折らないように注意しましょう。
植える位置に少しあなをあけて、差すイメージで植えて土をよせて埋めます。
深さは2~3cmが目安。
深すぎると分けつが遅れ、浅すぎると倒れやすいので注意しましょう。
※分けつ……イネが新しい根をだし、茎や葉が次々とうまれ株が太くなっていくこと。
手植えの道具
ここからは手植えをする上で、揃えておきたい〝道具〟をご紹介いたします。
足装備
長ぐつ
田植えぐつ
胴付き長ぐつ
日焼け対策
帽子
日焼け止め
小学生にもできるやり方のポイント
子供さんと手植えをする場合は長ぐつだと田んぼのぬかるみに取られてすっぽり脱げてしまうこともあるので、子供サイズの〝マジック地下足袋〟がオススメです!
地下足袋用ソックスと併用すれば蒸れも防げます。
田植えの時期は紫外線が強く日差しがきついので、帽子とタオル、日焼け止めも忘れずに注意しておきましょう。
適度な水分補給と休憩も忘れずに(^^)
【まとめ】
本記事では、『手植えで行う田植えのやり方』についてご紹介いたしました。
手植えの種類には、
・横縄植
・縦縄植
・線引き植
・定規を使う
など、様々なやり方があり
畝間(うねま)と株間(かぶま)を約30cmにして植える〝疎植(そしょく)〟を行うことがポイントです。
自宅で手植えを体験したいなら「バケツ稲づくり」がオススメです!
米を作るという感動
みんなと一緒にやり遂げる喜びや達成感
また子供達にとって何よりの「食育」になりますので
興味のある方は、ぜひチャレンジしてみて下さい(^^)
『田植えのやり方【手植え編】基礎から学べるコツや道具を徹底解説!!』を、最後までお読みいただきありがとうございました。
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